命の繋がり

父が亡くなってから今日で一年が経ちました。
一年前の事は今でも覚えています。
亡くなる10日くらい前に家族でご飯を食べた時は凄く元気そうだった父。母や姉曰く、息子の前では強がっていたけど、家では日に日に弱っていたみたいです。
プロになり神戸へ移籍してからはシーズンオフの時にしか帰省することが出来ずに日常に顔を合わす機会をほとんど失いました。

幼少期から本当に仲の良い親子で、小学校の6年間は家から学校までの通学路約2キロを毎日一緒にジョギングしたことが僕のアスリートとしてのベースになっていることは言うまでもありません。

プロになるにつれて父との関係が上手くいかない時期もありましたが、そんな時でもいつも全力で僕の成功を祈ってくれていた事に感謝の気持ちでいっぱいな反面、なんでもっと僕自身が自立し大人になり、もっと父を理解してあげられなかったのか、その事を今でも凄く後悔しています。

今だったらきっと、一緒にゴルフに行ったり、酒を飲んだり、語り合ったりすることも出来たのになと…

そんな事を一年を迎えた今、いろいろと思っています。

父がいつも着けていた腕時計を形見として使っているのですが、小さい頃に父が
「この時計は三世代使えるものだから俺が死んだらお前が付け、その次はお前の子供に…」
って、言われたのが僕の中で凄く記憶に残っていて、いつか僕にもそんな事が言える日がきたらなと思っています。

父の生きた時間は一年前に止まってしまいましたが、その時計は今日もあたりまえにしっかり時を刻んでいます。

この一年で悲しみに慣れてきた気もしますが、ふとした時に父がいないと言うことを不思議に思うこともあります。

でも父がつけていた腕時計を自分が着けているのを見て、
やはり父はここにはもういないということを改めて感じ、
それと同時に、与えられたものを受け継いでいきながら、しっかり生きていかなくちゃいけないな、と思う今日この頃です。